オレは小学生の六年生の時に、今で言うB型肝炎にかかった。
当時家族が調べられ、父がキャリアであることがわかり、父からうつったとされた。
でも、今の医学理論からすれば、父子感染は、極めて少なく、あるとしたら、出産時の母子感染が、考えられるが、母親が陰性だったことから、
父は単にキャリアであっただけで、おれにうつした犯人ではないということ。
予防注射などが、原因であることが推測されるいちばんの原因。
それを機に、父の食事は別になり、鍋を一種につつくこともなくなり、また、風呂も父親が入ったら、新たに水を炊き直した。
さらに、悲劇は、確かに母をパニック障害にさせた父を、汚い、という言葉で、正当に母は父をののしった。
父が嫌い、と、いう言葉を母は、父は汚い、という言葉で、やっと自分の本音(父が嫌いだということ)を言うことができたのだ。
そして、思春期のオレにとって、自分の同性でいちばん身近な先輩である父がいつも汚いきたない、と家族から言われることで、自分の男性性に極度なコンプレックスをもつようになった。
それは、男性であることがまるで、否定されてるようで、ずっとそのコンプレックスの中で生きてきた。